吉祥寺の名店・アムリタ食堂!23年愛されるタイ料理と温かい空間の秘密とは?

「子供から大人まで、誰もが安心して楽しめるタイ料理を届けたい」そう語るのは、アムリタ食堂のオーナー・安達さん。

2001年に吉祥寺でオープンしたアムリタ食堂は、「子供も大人も楽しめるタイ料理」をテーマに、本格的な味わいを提供しながらも、どんな世代の方にも馴染みやすい料理を追求。居心地の良い空間と、丁寧な素材選び、そして絶えず進化し続けるスタイルで、23年間吉祥寺で愛され続けてきました。

今回は、安達さんにインタビューを実施。タイ料理との出会いから、独立に至るまでのストーリー、そしてアムリタ食堂に込めた想いを伺いました。

目次

衝撃を受けたタイ料理との出会い!伝説の「トムヤム」とは?

アムリタ食堂 オーナーの安達さん①
アムリタ食堂 オーナーの安達さん①

ケージー: アムリタ食堂さんは吉祥寺で23年間営業されていますが、最初のきっかけは何だったんですか?

安達さん: もともと23歳の時にカメラマンのアシスタントをしていて、料理撮影の仕事を通じて料理の世界に興味を持ちました。

ケージー: カメラマンの仕事が最初のきっかけだったんですね!タイ料理とはどこで出会ったんですか?

安達さん: 吉祥寺で友達とルームシェアをしていた頃、オープンしたばかりのタイ料理店「トムヤム」に行ったんです。ちょうどタイ料理の第2次ブームの頃で、そこで食べた味に衝撃を受けました(笑)。

ケージー: どんな衝撃だったんですか?

安達さん: それまで和食やイタリアンくらいしか食べたことがなく、甘い・酸っぱい・辛いが絶妙に合わさったタイ料理の味に圧倒されました。ちなみに、そのトムヤムのシェフとは、後にアムリタ食堂でも一緒に働いていたんです(笑)。

ケージー: そんな出会いがあったんですね!そこからタイ料理業界に入られたんですか?

安達さん: そうですね!当時はスマホもなく、タイから日本に働きに来る人たちは大変だったと思います。トムヤムのシェフたちが必死に働く姿を見て、私もどんどんタイ料理にハマっていき、3ヶ月後にはカメラマンを辞めてトムヤムの会社に入社しました。

飲食未経験からの挑戦!トムヤムで学んだ店舗運営とタイ語習得の苦労

ケージーと対談するアムリタ食堂 オーナーの安達さん①
ケージーと対談するアムリタ食堂 オーナーの安達さん①

ケージー: 行動力がすごいですね!(笑)トムヤムさんでは、どんな業務をされていたんですか?また、大変だったことは?

安達さん: 料理はタイ人シェフ2人が担当していたので、キッチン以外のすべてをやっていました。当時は会社の体制も整っておらず、飲食未経験のまま半年で店長に。手探りで店舗を回していました(笑)。一番大変だったのはスタッフとのコミュニケーションですね。日本語しか話せないおばちゃん2人と、タイ語しか話せないシェフ2人がいて、私はタイ語ゼロ。毎日シェフに少しずつ教えてもらい、2年ほどかけて話せるようになりました。

アムリタ食堂の内観①
アムリタ食堂の内観①

ケージー: すごい覚悟ですね!働きながら、実際にタイにも行かれましたか?

安達さん: はい、トムヤムには7年間いましたが、タイにどっぷりハマっていたので、もちろん行きました!アメリカには行ったことがありましたが、タイは自由奔放でアミューズメント感があって、新鮮さに衝撃を受けましたね(笑)。そこからさらに夢中になりました!

アムリタ食堂の誕生!「子供も大人も楽しめるタイ料理店」への想い

アムリタ食堂 オーナーの安達さん③
アムリタ食堂 オーナーの安達さん③

ケージー:タイ料理がきっかけでタイに行き、タイ自体も好きになられたのは素敵ですね!トムヤムさんでの経験がアムリタさんオープンに活かされていると思うのですが、そこからどういった経緯でオープンに至ったんですか?

安達さん:トムヤムを辞めた後は私自身の転機もあり、アニメのシナリオを書いたりとデザイン系やクリエイティブ系の仕事をしていました。その時にトムヤムで知り合った方に今のアムリタ食堂の場所で何かお店をやりたいと声をかけてもらったことがきっかけでした。

元々小さい頃からお家にきた人をおもてなしすることが好きで自分のお店を持つこともその延長線だと感じましたし、また飲食って総合芸術だなと考えていて、それまでクリエイティブ系の仕事をしていたので、そこを活かした店舗作りが出来そうだと思い、タイ料理屋さんをやろうと決心し、オープンしました。

アムリタ食堂の内観②
アムリタ食堂の内観②

ケージー:なるほど!安達さんのそれまでの経験が活きたのと、素敵なご縁があったからこそ、アムリタ食堂さんは誕生したんですね!オープン後のスタッフはどうやって集めたんですか?

安達さん:トムヤムで一緒に働いていた、店長・シェフ・アルバイト生が5-6人集まってスタートしました。トムヤムは既に閉店して数年経っていたのですが、バラバラになっていたメンバーが集まってくれました。

お客様と共に歩んだ23年!アムリタ食堂で生まれるストーリー

アムリタ食堂 オーナーの安達さん④
アムリタ食堂 オーナーの安達さん④

ケージー: トムヤムさん時代のメンバーが集まってスタートできたなんて素敵ですね!アムリタ食堂をオープンされた時、どんな想いがあったんですか?

安達さん: 当時、子供と一緒に外食できるお店が少なくて、ファミレスくらいしか選択肢がなかったんです。子供も大人も楽しめるお店を作りたいと思ったのがきっかけですね。

ケージー: だから、お店のテーブルや椅子がゆったりしているんですね。でも、子供も大人も楽しめるお店を作るのって大変そうです。上手くいかないこともありましたか?

安達さん: たくさんありました(笑)。お客様同士のトラブルや、スタッフから「普通のタイ料理店に戻したい」という声もありました。でもコンセプトだけは崩したくなくて、少しずつ調整していきました。例えば、ナンプラーを心配してお弁当を持ち込むお客様には、「子供向けのメニューもありますよ」とお伝えしたり。私自身も子育て中だったので、その気持ちも理解しながら対応していました。

ケージー: なるほど!実はフォロワーさんから「子供と行けるお店は?」と聞かれることが多くて、そのたびにアムリタ食堂さんをおすすめしていました(笑)。スタッフの皆さんの努力があってこそ、今があるんですね!では、オープン当時から続いている定番メニューってありますか?

23年間愛され続ける理由とは?進化を続けるアムリタ食堂のこだわり

ケージーと対談するアムリタ食堂 オーナーの安達さん②
ケージーと対談するアムリタ食堂 オーナーの安達さん②

安達さん: 定番メニューはいくつかありますが、グリーンカレー以外は味を変えています。例えば、トムヤムクンにはミルクを入れたり、パッタイの味付けを変えたり。時代とともに流行も変わるので、コックに調整をお願いしています。

ケージー: たしかに、オーナーさんは他のお店に行く時間がなく、味の変化に気づきにくいことも多いですよね。トムヤムさんの時から、世の中の流れは意識されていたんですか?

アムリタ食堂のディナーメニュー
アムリタ食堂のディナーメニュー

安達さん: いえ、トムヤム時代はタイ人シェフが作るベーシックなタイ料理だったので、そこまで意識していませんでした。でも今はタイ料理店が増え、お客様の求めるレベルも上がっているので、情報収集をしたり、色んなお店を巡って学びながら、お客様目線で料理を見直しています。

ケージー: そうやって日々アップデートされているからこそ、アムリタ食堂さんは23年間愛されているんですね!安達さんが現場に立たなくなったのはいつ頃ですか?

安達さん: オープン当初は子供をおんぶしながら現場に出ていましたが、すぐに離れました。もともとデザインの仕事をしていたので、その経験を活かして店舗デザインを担当するようになったんです。「子供も大人も楽しめて、大人にとっては少し贅沢できるお店」をコンセプトに、コップ一つまでこだわっています。

ケージー: なるほど!アムリタ食堂さんはコンセプトがしっかり伝わるお店だと感じていましたが、その裏には細かなこだわりがあったんですね。他にもこだわっていることはありますか?

安達さん: トムヤム時代からのシェフがチョンブリー出身なので、他のシェフも同じ地域の方にお願いしています。レシピはありますが、出身地や個人の感覚で味が変わるので、味を守るのは簡単ではないですが、こだわり続けています。

ケージー: ありがとうございます!23年続いているのは本当にすごいことですね。実は私の年齢とほぼ同じなので、そんな長く愛されているのは感慨深いです!

安達さん: 毎年お子さんの誕生日をアムリタ食堂で祝ってくれるお客様もいらっしゃって、この前20歳の誕生日を迎え、「20回目のお祝いです!」と言ってくださいました(笑)。

ケージー: え!すごい!「子供も大人も楽しめるお店」というコンセプトが実現しているからこそ、お客様にとっても家族の成長と共に訪れる、ストーリーのあるお店になっているんですね!

アムリタ食堂のこれから!未来への展望と新たな挑戦

アムリタ食堂 オーナーの安達さん⑤
アムリタ食堂 オーナーの安達さん⑤

ケージー:アムリタ食堂さんの今後の展望はありますか?

安達さん:アムリタ食堂でしか出来ないことでいうと、私自身このお店を作品にしたくて、まだまだ進化させていきたいです。タイ料理の自由さや味の広がり方を楽しんでもらいながら、今は店舗の音楽を有線で流しているのですが、DJの方に来てもらって、DJがいるお店にもしたいなと思っています!その他にも雑貨の販売や現在も取り組んでいる発酵食品の料理教室を継続してやっていきたいなと思ってます!

ケージー:今後の安達さんの動き、すごく楽しみです!最後に読者の方に一言お願いします!

安達さん:これまでパクチー嫌いだった人も食べれるようになったというくらい、アムリタ食堂では食材の組み合わせにこだわっていて、美味しい食べ方がわかるので、ぜひ一度アムリタ食堂に来ていただいてタイ料理にハマるきっかけになってもらえる嬉しいです!

ケージー:本日はお忙しい中、お時間いただきありがとうございました!

エスニックマガジン
アムリタ食堂のディナー訪問記!吉祥寺でNo.1タイ料理と言われる超人気店! | エスニックマガジン 東京都武蔵野市吉祥寺にある「アムリタ食堂」にディナーで伺いました。最近リニューアルオープンしたばかりの、吉祥寺で知らない人はいない、超人気店です。メニューやアク...
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