「タイ料理の魅力をもっと多くの人に届けたい」――そう語るのは、御徒町のタイ料理店「Yim Siam」のオーナー、岡田さん。
もともとアパレル業を営んでいた岡田さんは、コロナ禍をきっかけに新規事業としてタイ料理店を開業。2022年11月、御徒町に「Yim Siam」をオープンしました。2024年にはタイ国政府認定レストラン≪Thai SELECT≫に選ばれ、その本格的な味わいと温かみのある接客で多くのファンを魅了しています。
今回は、岡田さんにインタビューを行い、タイ料理との出会いから「Yim Siam」開業の経緯、人気メニューのこだわり、そして今後の展望についてお話を伺いました。
タイ料理との出会いとオープンに至ったきっかけ
ケージー:Yim Siamさんがオープンしたのはいつ頃ですか?
岡田さん:2022年の11月30日です。
ケージー:そうなんですね!オープンに至った経緯を教えてください!
岡田さん:メインはアパレル企業さんに帽子や手袋などを卸す服飾雑貨のメーカーなんです。現在もメインはそっちなのですが、コロナが来て、事業再構築補助金が出たタイミングで新規事業というところでYim Siamをオープンしました。
![下町のタイ料理屋さんYim Siamの内観](https://ethnic-magazine.com/souken/wp-content/uploads/2025/02/IMG_2208-1024x768.jpg)
ケージー:元々違う領域で事業されていて、そこからタイ料理にチャレンジしようとなったんですね!タイ料理を選ばれた理由はあるんですか?
岡田さん:実は私の奥さんがタイ出身で、元々家でもタイ料理を食べる機会が多く、タイ料理が身近にありました。また、飲食業はずっとやってみたいと思っていたので、コロナが来たタイミングで踏み出すことにしました。
![下町のタイ料理屋さんYim Siamの外観](https://ethnic-magazine.com/souken/wp-content/uploads/2025/02/IMG_2224-1024x768.jpg)
ケージー:なるほど!元々タイ料理が身近にあり、御徒町で始められたんですね!御徒町を選んだ理由はあるんですか?
岡田さん:会社の事務所が近くにあることが大きな理由です。ただ、立地がすごく良い場所ではないですし、上野・御徒町エリアはタイ料理屋さんが多いエリアであるので、オープンして1年目はとても苦労しました。そこから少しずつ認知もされてきて、お客様も増えてくるようになりました。不思議なことに1年経つとお客様の数も変わりました。
お店に対する認知獲得するための取り組み
ケージー:認知を増やしていくにあたり、何か工夫されたことはあるんですか?
岡田さん:毎日私が店舗の前でビラ配りをしました。今もランチタイムは店舗にお客様が増えるまではやっています(笑)
ケージー:岡田さん自ら店舗前で集客され、そういった積み上げで認知を増やされたんですね!その他にはありますか?
岡田さん:お客様はベトナム人が多いのですが、たまたまベトナム人のTikTokerが取り上げてくれて、そこからベトナム人の方が一気に増えました。また、上野・御徒町エリアは食べログが強いので、食べログに少し予算をかけるとすぐ効果が出ることも分かりました。
ケージー:ありがとうございます!ベトナム人ってフォーやバインミーなど辛いものを食べないイメージがあったんですが(笑)、タイ料理も好きなんですね!
岡田さん:そうなんです。ただ辛い料理は苦手な方が多いので、辛さ控えめや辛さなしでご注文されています。ベトナムの方はレンセープ(豚の背骨が入ったスープ)を好きな方が多く、店舗で食べた後、美味しかったから持ち帰りしたいとテイクアウトされる方もいらっしゃいます。
ケージー:お店で食べてその後すぐにテイクアウトされるって本当に美味しかった証拠だと思うので、とても素敵なお話です!
おすすめメニューとYim Siamの味を守るための工夫
ケージー:続いてお店のおすすめメニューについて教えてください!
岡田さん:メニューの1番人気はプーパッポンカリーです!全てのメニューこだわりを持ち、提供していますが、特にトムヤムクンはこだわりがあります。というのもYim Siamのトムヤムクンにはタイからの輸入で仕入れているエビの味噌を入れていて、食べた瞬間にエビの旨味を感じられるように仕立てています。味はココナッツミルクを多めに入れた甘めではあるんですが、トムヤムクンの酸味を楽しみたい方はお酢を入れるとさらに楽しんでいただけると思います。
ケージー:エビの味噌が入ったトムヤムクン、想像しただけでよだれが出そうです(笑)岡田さんがおすすめするメニューはありますか?
岡田さん:私のおすすめはカオソーイとカオマンガイです!カオソーイのスープはドロっとしたタイプとサラッとしたタイプの2種類ありますが、Yim Siamはドロっとしたスープです。麺とスープが絡み合っているので、一口入れた時の味の広がりを楽しめます。カオマンガイはご飯を炊く前に入れるスープにこだわっていて、香りが強いので、美味しいと言ってくださるお客様も多いです。
ケージー:僕自身、カオソーイはドロっとしたスープが好きなので、Yim Siamさんのカオソーイを食べた時の衝撃は今でも覚えています(笑)Yim Siamさんの味は現地に寄せるというより、日本人向けにアレンジされている印象なので、タイ料理の特有の辛さも強くなく、食べやすかったです!
ケージー:店舗を運営されていく中でこだわっている部分はありますか?
岡田さん:よく店舗のシェフが変わると味が変わるということがあると思うのですが、シェフが変わってもYim Siamの味は継続されるように特にこだわっています。実際にうちもシェフの入れ替わりはあったのですが、ベースとなるソースは変更せず、また味が大きく変わってしまう可能性があるメニューについてはレシピ化し、店舗の味を守るようにしています。
ケージー:シェフさんが変わり、お店の味が変わったとコメントがGoogleマップのレビューで書かれたというお店さんの話も聞いていました。シェフさん自身のこだわりもあると思うのですが、シェフさんとコミュニケーションをとる上で気をつけていらっしゃることはありますか?
岡田さん:うちに入ってもらった段階で守ってもらいたい味の部分は理解してもらえるまで説明するようにしています。最初は嫌な顔をされることもありましたが、納得してもらえた上で料理を作ってくれているので、シェフ自身の料理のやりがいは残しつつ、店舗の味は守ることが出来ていると思います。
ケージー:シェフさんにも想いが伝わっているからこそ、Yim Siamさんの味が守られているんですね!
これからのYim Siamの展望
ケージー:今後の展望について教えてください!
岡田さん:現在、模索している状況なのですが、1つ目は冷凍食品の販売を考えています。店舗に急速冷凍機も入れているのですが、販売する方法や配送料のことを考えた上で、上手くできる方法を考えていきたいと思っています。また、大手さんのように大量製造出来ないため、どうしても価格が大手さんに比べて高くなってしまうこと・Uber Eatsのようなデリバリーサービスに比べ、冷凍食品はお客様のお手間も発生するので、それらの乗り越えられるような商品開発が出来るか模索していこうと思っています。2つ目は2店舗目・3店舗目の出店です。Yim Siamオープン以来、1年経つごとに状況が変わっているので、3周年である2025年の11月が一区切りだと考えています。なので、2025年はYim Sialの運営は今まで通り頑張りつつ、次の3年間は何を取り組んでいくのかも同時に考えていく予定です。
ケージー:ありがとうございます!今後、Yim Siamlさんが拡大されるので非常に楽しみです!
ケージー:最後に読者の方に一言お願いします!
岡田さん:Yim Siamの料理は価格も低めに設定していて、かつ量も多めに作っているので、複数人のグループでご来店いただけると、かなり割安にお楽しみいただけると思います。お気軽にご来店いただけると嬉しいです!
ケージー:本日はお時間いただき、ありがとうございました!