大門・芝公園に店を構える「泉州屋台」は、足を踏み入れた瞬間、まるでバンコクの屋台街にワープしたかのような錯覚に陥る本格的なタイ屋台料理店です。
足を踏み入れると、まるでバンコクの屋台街にワープしたかのような錯覚に陥り、屋台らしい開放的な雰囲気、鮮やかなプラスチックの椅子、スパイスの香り―まさに「タイ現地そのまま」の空間が広がっています。
この独自のスタイルを生み出したのは、元・大工という異色の経歴を持つジョージさん。キッチンカーからスタートし、日本では珍しい「カオゲーン」スタイルの提供方法を確立しました。
今では、タイ人すらも「ここは本場と変わらない」と絶賛するお店となっています。
今回は、ジョージさんに泉州屋台ができるまでのストーリーや、タイ料理へのこだわり、そして今後の展望についてお話を伺いました。
大工からタイ料理の世界へ―異色の経歴を持つジョージさんの挑戦
ケージー: 本日はインタビューのほどよろしくお願いします!
ジョージさん:こちらこそよろしくお願いします!
ケージー: さっそくなんですが、ジョージさんが泉州屋台さんを始める前のことを少しお聞きしたいんですが、元々は料理の世界にいらっしゃったわけではないんですよね?
ジョージさん: そうですね、もともとは大工として働いてました。完全にガテン系ですよ(笑)
ケージー: まったく違う業界にいらっしゃったんですね!そこから飲食にシフトしたきっかけって何だったんですか?
ジョージさん: 建築の仕事がちょうど不景気で、「このままずっと続けるのもな…」って思ってた時期だったんですよね。それで、「自分で何かやりたい」と考えたときに、興味があった移動販売に目をつけたんです。いきなり店舗を持つのは難しいけど、キッチンカーなら挑戦しやすいと思って。
ケージー: なるほど、それで最初はキッチンカーからスタートされたんですね。最初からタイ料理を出されてたんですか?
ジョージさん: いえ、最初はインドカレーや大阪の牛すじカレーなどカレーをメインで提供してました!でも、「自分らしいスタイルを出したいな」と思い始めて、色々試すうちにタイ料理にたどり着いた感じですね。
ケージー: 最初からタイ料理に特化していたわけではなく、模索しながら今の形に落ち着いた感じなんですね!
ジョージさん: そうですね!「せっかくやるなら他にはないものをやりたい」と思って、試行錯誤しながらメニューを変えていきました。気づいたら、「もうタイ料理一本でやっていこう!」って決めてましたね。
ケージー: そこから現在の泉州屋台さんのスタイルにつながっていくんですね!
ジョージさん: そうですね!今思えば、当時の試行錯誤があったからこそ、今の「泉州屋台」があるんだなって思います。
キッチンカーから実店舗へ―「泉州屋台」誕生の背景
ケージー: そこからキッチンカーでの営業を続けていたわけですが、移動販売ってどんな場所で営業してたんですか?
ジョージさん: まずは東京に行ってから、いろんなエリアで販売してましたね。東大和とか立川の方でやってたんですけど、やっぱりそういう場所だとお客様の反応がイマイチで…。
ケージー: いわゆるランチ需要が若干少ない地域だと、なかなか厳しいんですね。
ジョージさん: そうなんですよ。だから途中からは都心部にシフトして、港区とか南青山、千駄ヶ谷、六本木あたりのオフィス街でランチ販売をするようになりました。
ケージー: いろんな場所で営業されてたんですね!でも、ランチの時間帯って短いと思うんですけど、仕込みとかも考えるとすごく大変だったんじゃないですか?
ジョージさん: そうですね。昼の2~3時間が勝負だから、いかに早く、効率よく提供できるかが大事でした。それで、今の泉州屋台の屋台スタイルの提供方法が確立されたんですよね。
ケージー: なるほど!じゃあ、もともとキッチンカー時代に編み出したスピーディーな提供方法が、今のお店のスタイルにも生きてるってことですね。
ジョージさん: そうですね。オーダーを取ってから作るのは時間がかかるし、キッチンカーだと回転率が命なので、あらかじめ仕込んでおいて、素早く提供するっていうスタイルを徹底していきました!
ケージー: その経験が実店舗にも活かされているわけですね。ちなみに、移動販売から実店舗を持とうと思ったきっかけは何だったんですか?
ジョージさん: やっぱり移動販売だと安定しないんですよね。雨が降ったら売上ゼロの日もあるし、キッチンカーはランチ限定だから夜営業はできない。だから、「ちゃんとしたお店を構えよう」と思ったんです。
ケージー:そこから今の芝公園にある泉州屋台さんに繋がっていくんですね!
ジョージさん: そうです!もともとは今の場所じゃなくて、もう少し近くの別の場所で2年ほど営業してたんですよ。そこが立ち退きになってしまって、今の場所に移転しました。
ケージー: そうだったんですね!でも、このお店、めちゃくちゃ雰囲気ありますよね。まるでタイの屋台みたいな空間ですけど、これは狙って作ったんですか?
ジョージさん: そうです!やるなら中途半端じゃなくて、本場の屋台の雰囲気を再現したかったんですよね。だから、内装もほぼ自分で作りました。
ケージー: このお店の内装って、ジョージさんが手がけたんですか⁉
ジョージさん: そうですよ。もともと大工だったんで(笑)
ケージー: すごい…!異色の経歴がここで活きるわけですね(笑)
泉州屋台スタイルの確立―独自の提供方法「カオゲーンスタイル」
ケージー: さっきの話にも出てましたけど、泉州屋台さんでは屋台スタイルで提供してますよね。普通のタイ料理店とは違って、すごくライブ感があるというか。
ジョージさん: そうですね!うちは「カオゲーン」スタイルでやってるんですけど、これはタイのローカル食堂や屋台でよく見られる提供方法です。日本のタイ料理屋さんではほぼ見ないスタイルですね。
ケージー: たしかに、ここに来ると「タイの屋台にいるみたい」って思います。注文して、すぐに料理が出てくる感じが本場っぽいですよね。
ジョージさん: タイの屋台って、オーダーしてから長時間待つことってほとんどないじゃないですか。だから、スピード感は大事にしてますね。お昼のランチタイムなんて、30秒以内に提供することもありますよ(笑)
ケージー: 30秒⁉ それはめちゃくちゃ早いですね!どうやってそんなに早く提供できるんですか?
ジョージさん: まず、仕込みをしっかりやること。それから、オーダーが入る前提で準備をしておくこと。特にランチは回転率が大事だから、「すぐに出せる状態」にしておかないと間に合わないんですよ。
ケージー: なるほど…。確かにランチタイムって、サラリーマンの方とか「時間がないからすぐ食べたい!」っていうニーズがありますよね。
ジョージさん: そうなんですよ。だから、提供を待たせるくらいなら、あらかじめ作っておいたほうが良くて…。うちは、お客様が来る時間帯に合わせて最適な状態で料理を用意してるんです。
ケージー: たしかに、それはすごく合理的ですね。じゃあ、メニューについても聞きたいんですけど、特に人気がある料理ってなんですか?
ジョージさん: やっぱりカオマンガイですね。うちの看板メニューです。
ケージー: 泉州屋台さんのカオマンガイは12時前に行くとすでに売り切れてしまってるくらい人気の料理ですよね!
ジョージさん: そうですね。うちのカオマンガイは現地の味に忠実なスタイルにしてまして、日本人向けにアレンジしてないんですよ!だから、タイ産のジャスミンライスを使うし、鶏の茹で方とかソースにもこだわってます!
ケージー: なるほど…!ソースも自家製ですか?
ジョージさん: もちろん!にんにく、しょうがを効かせた特製ソースがうちの特徴ですね。
ケージー: たしかに、ソースとご飯と絡めると、もう止まらないやつですね(笑)
ジョージさん: そうですね(笑)それから、最近はグリーンカレーやガパオライスも人気ですね。でも、一番売れるのはやっぱりカオマンガイですかね。
ケージー: なるほど…!泉州屋台さんのスタイルと人気メニューについて、めちゃくちゃよく分かりました!
泉州屋台が生み出す異国体験―現地さながらの空間作り
ケージー: お店に入ると、まるでタイにワープしたかのような雰囲気ですよね。外観から内装まで、すごくこだわりを感じます。
ジョージさん: ありがとうございます。やっぱり、「タイ料理を食べるなら、雰囲気も含めて楽しんでほしい」っていう思いがあるんですよ。料理だけじゃなく、空間も本場の屋台っぽくしたかったんです。
ケージー: なるほど。店内を見回すと、テーブルや椅子、装飾までタイの屋台そのものですよね。これって、どこかから仕入れたりしてるんですか?
ジョージさん: いや、ほとんどがタイから持ってきたものですね。現地の市場や屋台を回って、実際に使われているものを見つけては、ちょっとずつ持ち帰ってきました。
ケージー: じゃあ、このテーブルとか椅子も、タイの屋台で実際に使われてたものなんですか?
ジョージさん: そうですよ。特に、タイの屋台でよく見る青や赤のプラスチック椅子とかは、本場のものを再現するためにこだわりました。
ケージー: それはすごい…!本当に現地の空気感を大事にしてるんですね。
ジョージさん: そうですね。お客様に「ここに来たらタイにいるみたい!」って思ってもらえるように、ちょっとした細部までこだわってるんです。例えば、メニューのデザインとか、壁に貼ってあるポスターとかも、全部タイで見つけたものなんですよ。
ケージー: たしかに、タイのローカル食堂でよく見る雰囲気がありますね。日本にいながら、ここまでリアルな空間を作ってるお店って、なかなかない気がします。
ジョージさん: ありがとうございます!あと、BGMも現地の屋台で流れているような音楽にしてたり、料理を出すときのオペレーションも現地の屋台のスタイルを意識してます。
ケージー: それ、めっちゃ細かいところまで考えられてますね…!でも、それだけこだわると、やっぱりお客様の反応もいいんじゃないですか?
ジョージさん: そうですね。特にタイに行ったことがある人は、「うわ、この雰囲気懐かしい!」って言ってくれることが多いですね。あと、オープンしてすぐの頃にタイのテレビ番組でも紹介されたことがあって、それがきっかけでタイ人の方たちにも広まったんですよ。タイ人のお客様が来て『ここ、本当にタイみたい!』って言ってくれると、一番うれしいです(笑)
ケージー: それは、もうタイ本場のお墨付きですね!でも確かに、こういう雰囲気だと、ただ「タイ料理を食べる」ってだけじゃなくて、タイに旅行した気分になれるのがいいですね。
ジョージさん: そうなんです!だから、うちのお店に来ることで、「タイってどんなところだろう?」って興味を持ってくれる人が増えたらうれしいですね。
ケージー: 泉州屋台さんは本当に「異国体験」ができるお店ですよね。空間作りまでここまで徹底してるのは、すごいこだわりを感じます!最後に、これからお店に来るお客様や泉州屋台さんのファンに向けて、一言お願いします!
ジョージさん: 泉州屋台をこれまで支えてくださった皆さん、本当にありがとうございます!僕らはこれからも「こだわりのタイ料理」を気軽に楽しめる場所として、全力でやっていきます。まだ来たことがない方も、ぜひ一度「カオゲーン」スタイルの楽しさを味わいに来てください!きっと新しいタイ料理の魅力を感じてもらえると思います。
ケージー: 本日は色々とお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
ジョージさん: こちらこそ、ありがとうございました!
インタビュアーからの一言
泉州屋台は日本で本場の屋台体験を再現し、多くの人にタイ料理の魅力を広めるための情熱が詰まったタイ料理店だと感じました!
オーナーのジョージさんの話からは、料理へのこだわりだけでなく、タイの屋台文化そのものを再現し、日本に広めたいという強い想いが伝わってきました。
飲食店経営を単なるビジネスではなく、「食を通じて現地の空気感を届ける場」として捉えている姿勢が、店舗の活気ある雰囲気や独自のスタイルにつながっているのだと実感しました!


実際に訪れた店舗の様子や、こだわりのメニューについては、別記事で詳しく紹介しているので、ぜひそちらもご覧ください!
