「食材の素材感にこだわり、シンプルに美味しく提供することを意識している」とお話しするのはタイ食堂 バンガオのオーナーの鶴岡さん。
2017年にワイン×中華料理をコンセプトとしたhuganのオープンを機に独立され、2024年10月末に2店舗目となるタイ食堂 バンガオを月島にオープン。バンガオのコンセプトは「隠れ家でタイ料理が楽しめるお店」。
今回はオーナーの鶴岡さんにインタビューを行いました。タイ料理との出会いから、ワインをコンセプトとしている背景、そしてバンガオに対する想いなどお話しいただきました。
タイ料理との出会いとアガリコでの経験
ケージー:タイ料理との出会いはどこからだったんですか?
鶴岡さん:元々モンスーンカフェでアルバイトをしていて、そこでタイ料理に出会いました。
ケージー:そうだったんですね!モンスーンカフェさんでアルバイトをしていた時からキッチンをやっていたんですか?
鶴岡さん:いいえ、モンスーンカフェの時はホールスタッフでした。ただ、ずっと料理がやりたいという想いがあり、ちょうどBigBelly代表の大林さんが独立して池袋にオープンされたアガリコオリエンタルビストロでキッチンをやらせてもらえることになり、オープンの1,2ヶ月後にアガリコオリエンタルビストロで働き始めました。
ケージー:アガリコさんがオープンして間もない頃から働かれていたんですね!アガリコさんではどこの店舗で働かれていたんですか?
鶴岡さん:主に北千住のアガリコ 1/3 オリエンタルビストロで働いていました。池袋のアガリコがオープンした半年後にアガリコ 1/3 オリエンタルビストロがオープンしたのですが、そこの立ち上げメンバーに選んでいただき、その半年後に店長として3年程やらせていただきました。
ケージー:アガリコさんの後、独立されたと思うのですが、何かきっかけはあったんですか?
鶴岡さん:アガリコって1年に1回社員旅行あるんですけど、タイやフィリピン・マニラなどに行くことがあったこと、その後も自分でも旅行に行くようになり、アジアが好きになりました。また、アガリコで働いている中で色々学ばせてもらった中で、もっと料理の世界を深掘りしていきたいなと思い、独立を決断しました。
月島で独立!huganとバンガオの誕生秘話
ケージー:アガリコさんでの色々な経験があったからこそ独立に至ったんですね。独立されたのはいつなんですか?
鶴岡さん:2017年です。月島にhuganという中華料理×ワインをコンセプトとしたお店をオープンしました。
ケージー:モンスーンカフェさんでもアガリコさんでもタイ料理ですが、中華料理のお店をオープンされた背景をお聞きしたいです!
鶴岡さん:タイ料理も中華鍋を使って調理すること多いですし、基本的にアジア料理は中国の影響をとても受けていると考えています。そのため、まずはその原点である中華料理にチャレンジしたいと思い、huganをオープンしました。
ケージー:そうだったんですね!そこから6年程が経ち、huganさんの店舗運営が安定したため、2店舗目をオープンした流れでしょうか?
鶴岡さん:そうですね。ずっとアジア料理のレストランはやりたいと思っていたので、2023年の10月末にタイ食堂 バンガオをオープンしました。
ケージー:1店舗目も2店舗目も月島でオープンされていますが、月島という場所を選ばれている理由はあるのでしょうか?
鶴岡さん:独立をする前から、築地・月島のエリアで物件を探していました。というのも、このエリアは市場からとても近く、新鮮で良い食材をすぐに調達することができます。また、月島の街の雰囲気がとても好きで、月島って長屋が残っているエリアで、私自身、長屋でお店をやりたいという想いがあり、月島を選びました。
ケージー:長屋って柱が剥き出しになっていて、その木材の年季がアジア感を出していますよね。
隠れ家タイ料理店「バンガオ」のコンセプトと魅力
![タイ食堂 バンガオの外観](https://ethnic-magazine.com/souken/wp-content/uploads/2025/01/IMG_4609-1024x768.jpg)
ケージー:続いて、バンガオさんのコンセプトについてお伺いさせてください。
鶴岡さん:コンセプトは「隠れ家でタイ料理とワインが楽しめるお店」です。お店の入り口までの道とても細いじゃないですか。ほとんどの人が通ったことがないような道を通って店舗に入ったらタイを感じられて、そのギャップも楽しんでもらいたいです。
まだまだ店舗の内装も完成したわけでなくて、もっと旅行しているような気分を味わえる店内に出来るよう、雑貨なども増やしながら、どんどん進化していきたいと考えています。
ケージー:本当に隠れ家的なお店だからこそ、お店に入った時のギャップがより一層バンガオさんの「またお店にいきたい」につながっていきそうですね。
鶴岡さん:店舗までの細い道が「旅への入り口」だと感じたので、私自身も気に入っています。
ケージー:「旅への入り口」とても素敵な言葉ですね。たしかに、私もバッグパッカーで旅をしていた時、アジアにこのような道ありました(笑)続いて、バンガオさんのこだわりとおすすめ料理を教えてください。
鶴岡さん:カオマンガイも国産の鶏肉を使っているなど、素材感にこだわっていて、シンプルにを美味しく提供しようと考えています。また、レシピについては今後もブラッシュアップしていきたいのですが、現地のレシピに忠実にしながら、日本人でも食べやすいような辛さで提供することを意識しています。おすすめの料理は「ソムタムタイ」です。
ケージー:いろんなお店さんを訪問する中で、現地の味をよく再現されているお店さんや日本人の好みにあった味にしているお店さんなども多くある中で、バンガオさんは「シンプルで丁寧で美味しい」お店なので、タイ料理あまり食べない友達にも紹介しやすいと思いました。以前お伺いさせていただいた際、食べた「ペットヤーン」もすごく美味しかったです!
鶴岡さん:ありがとうございます。ペットヤーンもワインと一緒に楽しんでもらいたいです。最近は増えていますが、アジア料理とワインのイメージってまだまだないので、ビールではなく、ワインで新しい楽しみ方を味わってもらいたいと思っています!
タイ料理×ワインへのこだわりとその背景
ケージー:美味しいタイ料理を食べながら、ワインを楽しむ時間、素敵ですね。ちなみにhuganさんもバンガオさんもワインをコンセプトにされている背景はあるんですか?
鶴岡さん:勉強しながらではあったのですが、huganをオープンした2017年は中華料理とワインを掛け合わせているお店が少なかったです。中華料理を始めとするアジア料理とワインが合うことを伝えていきたく、ワインをコンセプトとしたお店をオープンしました。
ケージー:鶴岡さんが伝えたいことをお店で表現されていらっしゃるんですね!ワインはどのタイミングから好きになられたんですか?
鶴岡さん:ワインはアガリコで働いていた時に好きになりました。当時アガリコがモエ・エ・シャンドンをたくさん売っていて、モエ・エ・シャンドンを取り扱っているMHDという会社のワイナリーツアーに招待いただき、ニュージーランドに行きました。現地で作られているブドウを見学する中で、ワインが出来上がるまでの過程を知り、ワインの勉強をしたい!と思い始め、ワインの勉強が面白くて好きになりました。また、アガリコを卒業してからワインソムリエをとり、アジア料理とワインの組み合わせを提案出来るようになったため、お店開いたら絶対ワインをコンセプトにしようと決めています。そして、今後も店舗を展開していってもワインをコンセプトとしていきたいと決めています。
ケージー:これまでの経験が繋がり、今に至っているんですね!私自身これまで500店舗以上のエスニック料理店を訪問してきたのですが、バンガオさんほど隠れ家な店舗さんはなく、鶴岡さんがこれまで特に印象が強かった店舗さんはあるんですか?
鶴岡さん:今は移転してしまったのですが、当時バンコクのチャイナタウンの近くにあった「ERR Urban Rustic Thai(ウー・アーバン・ラスティック・タイ)」が隠れ家的ですごく印象に残っています。というのもトゥクトゥクで行ったのですが、周辺は真っ暗で人通りもほとんどないのに、その店舗だけ賑わっていました。他のお客様もそこを目指して店舗に来ているのをみて、かっこいいなと思い、お店としてすごく好きです。
お店の展望と読者へのメッセージ
ケージー:知る人ぞ知る隠れ家的なお店ってすごく興味をそそられますよね。それでは最後に、今後の展望と読者の方に一言お願いします!
鶴岡さん:バンガオはまだ完成していないので、これからどんどん進化させていき、タイに行ったことあるお客様も行ったことないお客様もタイの隠れ家のお店に来たようなお店を作っていきたいと考えています。ぜひ一度ご来店いただき、タイ料理とワインの組み合わせを楽しんでいただければ嬉しいです。
ケージー:本日はお時間いただき、ありがとうございました!
バンガオさんでランチを頂いた記事についてはエスニックマガジンの記事でご覧になれます!
![](https://ethnic-magazine.com/wp-content/uploads/2025/01/エスマガメディア_サムネ【KG用】-8.png)