「タイ料理は全て辛いわけではなく、子供でも食べられる料理は沢山ある」とお話しするのは泰国屋台チャオのオーナーの奥様。
2022年10月にオープンした「泰国屋台チャオ」様は、タイ料理の間口を広げ、タイ料理が苦手だと思っている人にも楽しんでもらえるようなお店作りを目指されています。
今回は、オーナーのチャオさんの奥様にインタビューを行いました。タイとの出会いから、飲食業界へ進んだ経緯、そして独立に至るまでのストーリーを伺いました。
そして後半では、お店こだわりの「ぶっかけ飯(カオゲーン)」や、「タイ中華」をテーマにしたディナーメニューの魅力もお話いただきました。
タイとのつながり:バックパッカーから始まった想い
ケージー:奥さんは元々バックパッカーをやられていたんですよね?バックパッカーで色んな国を訪れる中でタイにハマったんですか?
奥さん:そうです!タイ現地の人々に助けてもらったり、とても親切にされて、帰国したら「日本で働くタイの人たちのサポートをして恩返しをしたい」「タイに関わる仕事をしよう」と思っていました。
ケージー:素敵なエピソードですね!そこからまず何系のお仕事をされていたんですか?
奥さん:最初はタイの伝統工芸でフルーツカービングってあるんですけど、日本で講師をやってました。
※フルーツカービングとはスイカやパパイヤなどの果物に彫刻を施し、美しい装飾を作る技術。タイの高級ホテルや王室の晩餐会などでも見られる伝統工芸の一つ。
ケージー:フルーツカービングが最初なんですね!フルーツカービングはどこで学ばれたんですか?
奥さん:タイのバンコクにあるスクールに通っていました。留学中から日本に帰ってきたら教室をすぐ開きたいと思っていたので、帰国後すぐ教室を開きました。
ケージー:タイに関わることを日本でしたいという想いがとても伝わります!僕自身もバックパッカーで色んな国を旅してきて、そこでエスニック好きになって、今はエスニック業界で仕事しているので、お気持ちすごくわかります!
奥さん:訪れた国と関わりたくなりますよね笑
ケージー:そこからどういう経緯で店主のチャオさんと創業まで至ったんですか?
奥さん:実はチャオさんとはフェイスブックのフルーツカービング仲間が集まるグループ内で知り合いました。
ケージー:え!チャオさんがフルーツカービングされているのは前お伺いしてましたが、まさかフェイスブックで知り合ったんですね!
奥さん:はい(笑)チャオさんは来日前にホテルでシェフをしていて、フルーツカービングの技術が必須だったし本人も制作が好きで、来日後はそのグループに作品を投稿していました。
ケージー:フルーツカービングのグループで仲良くなられたんですか?
奥さん:当時、フルーツカービングの先生はタイ語しか話せなくて、またテキストもタイ語だったので、英語が話せるタイ人の友達が欲しいなと思っていたとき、グループ内でチャオさんと英語で会話するようになり、そこから仲良くなりました。
ソイナナで培った経験と独立への道
ケージー:そこからどういう経緯で奥さんはタイ料理業界に入ってきたんですか?
奥さん:チャオさんとお付き合いが始まってすぐにチャオさんが転職のタイミングで当時、西新宿にあったタイ料理屋「ソイナナ」のコックさんがお正月休みを取る代わりにチャオさんがアルバイトで助っ人にいきました。そして、私が最終日にチャオさんを迎えにいった時に、ソイナナを運営する会社の代表と知り合い、タイ料理好きならタイ業態の運営を手伝って欲しいと言われ、その会社に入社しました。
ケージー:ソイナナさんきっかけでタイ料理業界に入ってこられたんですね!ソイナナさんではどういう業務をされていたんですか?
奥さん:私はバックオフィスで、チャオさんは店長でっていう感じです。私自身飲食を全くやったことなかったのですが、飲食をずっとやられている社長のもとでゼロから学ばせてもらい、8年ほど働いていました。
※奥さんはソイナナで働いていた時も、タイ人スタッフの生活インフラを整えていたり、健康診断に付き添いするなど、日本で頑張っているタイ人のサポートを率先してされていたそうです。
ケージー:そうだったんですね!ソイナナで働いていた時期からチャオさんと独立のことについて話されていたんですか?
奥さん:ずっと話してましたね。チャオさんは職人気質なので自分の店が持ちたいってずっと言われてました。
ケージー:チャオさんと奥さんが一緒にやることで、料理を作る部分もバッグオフィスの部分もできるので、とてもよいバランスですね!
ぶっかけ飯とタイ中華の魅力:店舗のこだわり
ケージー:泰国屋台チャオさんのオープンはいつでしたっけ?
奥さん:2022年の10月です。
ケージー:新型コロナウイルスも少しずつ落ち着いてきていた時期だったので、タイミング的にはちょうどよかったですね!ちなみにこの物件を選んだ理由は何だったんですか?
奥さん:神田周辺で何店舗か空いていたんですが、これまでの経験上、集合ビルはルールが厳しかったので、立地も日当たりもよく、他のテナントさんがいないこの物件を選びました。
ケージー:ソイナナさんでの経験があったからこそですね!そこからこの場所で店舗をオープンされて、泰国屋台チャオさんのイメージが「ぶっかけ飯」なのですが、ぶっかけ飯のアイデアははじめからやりたいと思っていたんですか?
奥さん:独立する前から考えていました。ぶっかけ飯系にするか、ムーカタの専門店にするのか迷っていたのですが、このエリアはオフィス街でランチの営業が必須だなと思っていたので、ぶっかけ飯をやろうと決めました。
ケージー:たしかに、サラリーマンの人ってお昼の時間が限られていて、パパっと食べたい人も多いと思うので、そのニーズが刺さっているんでしょうね!お昼はぶっかけ飯(カオゲーン)系で夜はどういうテーマで営業されているのですか?
奥さん:タイ中華をテーマとしています。というのも、チャオさんが元々タイのホテルで中華部門にいて、師匠も中華系タイ人だったので、炒め系の料理が得意なんです。
ケージー:なるほど!タイ料理に中華の味付けを合わせることで、誰でも食べやすい味を実現できますね!
奥さん:そうなんです!日本人は中華を食べに行こうとなって懸念する人いないじゃないですか。でも、実はタイ料理って結構中華の影響を受けていて、辛い料理が全てじゃないのに、辛いのがダメだからとかパクチーがダメだからと言う人もいるじゃないですか。だからその印象を変えたく、タイ料理を食べない人も食べに行ってみようと思えるお店を心がけています。
ケージー:素敵です!私自身もエスニックは全て辛いわけではなかったり、パクチーを抜いたりできることも伝えていき、より多くの方にエスニックの魅力を伝えていきたいと思っているので、すごく同じ気持ちです!
奥さん:タイ人も子供がいて、子供が食べられる辛くない料理もたくさんあるんですよね。だからこそ、泰国屋台チャオではメニューごとに辛さを調整できるようにしていて、辛いものが好きな人から苦手な人まで楽しめるようにしています。
ケージー:これとてもいい取り組みですね!日本の辛さとタイの現地の辛さ全然違うので、私もタイに行った時、「マイ ペッ」使います(笑)
お店のおすすめメニュー
ケージー:ランチはぶっかけ飯ですが、ディナーでおすすめのメニューはありますか?
奥さん:よだれ鶏とプー・パッ・ポン・カリーですね。プー・パッ・ポン・カリーは辛くなくて、カレーで卵にカニが入っているので、日本人が好きなものがたくさん入ってますよね(笑)
ケージー:たしかにそうですね!日本人の中でもタイ料理ってイサーン地方の辛さや癖のイメージが強いですが、他にもタイ料理にはあって、その上で中華を掛け合わせることで、日本人に親しみやすい料理を提供されていらっしゃるんですね!
お店の展望と読者へのメッセージ
ケージー:泰国屋台チャオさんの今後の展望とかあれば教えて欲しいです!
奥さん:これは泰国屋台チャオの今後の展望というか、私のやりたいことなのですが、タイフェスや神田カレーグランプリなど、何かしらイベントに出てみたいです!チャオさんは過去に何度もイベントに出店した経験があるのですが、私がまだ経験したことないので、一度出てみたいなと思っています。
ケージー:ありがとうございます!イベントとかですと、普段タイ料理を食べない方にも魅力を伝えられるチャンスがありますよね!何か面白いイベントあったら私からも連絡しますね(笑)
ケージー:最後にこの記事を読まれている方に一言お願いします!
奥さん:タイ料理に興味を持って、ぜひ店舗に足を運んでくださると嬉しいです!タイ料理ってパクチーが入ってたりとか辛いからとかで食わず嫌いしてる人が多いと思うんですけど、タイ料理には辛くないタイ料理などもありますし、クセがないものもあるので、もっと気軽にタイ料理を食べる人が増えて欲しいなと思ってます!
ケージー:僕もめちゃめちゃその思い、共感いたします(笑) 本日はお時間いただき、ありがとうございました!
泰国屋台チャオさんでランチを頂いた記事についてはエスニックマガジンの記事でご覧になれます!