「ムーガタを日本に広めたい」—焼肉×鍋の魅力を伝える“Muu Tokyo”の挑戦

東京・田町でじわじわと話題を集めている、タイ式焼肉鍋「ムーガタ(Moo Kata)」の専門店「Muu Tokyo(ムートーキョー)」

2018年にオープンした同店は、タイで屋台や食堂の定番料理として親しまれているムーガタを、日本人の舌に合わせながらも、本場さながらの空気感で提供しているのが特徴です。

そして2024年には、ライセンス&コンサルティングによる店舗展開の第一弾として、沖縄・石垣島に新店舗がオープン。全国展開に向けた動きも本格化しています。

今回は、そんなMuu Tokyoの立ち上げと運営を担うMuu Tokyo代表・渡邊さんに、ムーガタとの出会いやメニュー開発のこだわり、日本における可能性などについて、じっくりとお話を伺いました。

目次

焼肉でも、鍋でもない「ムーガタ」との出会い

Muu Tokyo代表・渡邊さんとの対談様子①
Muu Tokyo代表・渡邊さんとの対談様子①

ケージー: 本日はよろしくお願いします。さっそくですが、渡邊さんが「ムーガタ」と出会ったきっかけについて教えていただけますか?

渡邊さん: よろしくお願いします!ムーガタを初めて食べたのは、バンコクのムーガタ屋さんでした。実は、タイ通の元格闘家の方から「タイにはムーガタっていう、焼肉と鍋を一緒に楽しめる面白い料理があるよ」と教えていただいたのがきっかけなんです。ジムでその方と話す中で興味を持って、現地に食べに行ってみたんですよ。

ケージー: 実際に現地で食べてみて、どうでしたか?

渡邊さん: 「なんだこの食べ物は……?」っていうのが正直な第一印象でした(笑)

鉄板の真ん中がこんもりと盛り上がっていて、その周囲にスープがある。肉や野菜、魚介なんかを自由に焼いたり煮たりして食べるんですけど、とにかくタレが絶品で。日本にはないスタイルに衝撃を受けて、すぐにハマりました。

ケージー: それが「Muu Tokyo」誕生につながっていったんですね。

渡邊さん: はい、そうですね。日本では当時「ムーガタ鍋」と呼ばれていたんですが、2018年にお店をオープンする際に、もっと分かりやすく伝えられないかと考えて「タイ式焼肉」という名称を自分で考えて使い始めました。

“屋台文化”を東京に持ち込む—Muu Tokyo立ち上げの背景

Muu Tokyo代表・渡邊さん
Muu Tokyo代表・渡邊さん

ケージー: そこから「日本でやってみよう」と思われたのは、なぜだったのでしょう?

渡邊さん 一番は、誰もやってなかったからですね。タイ料理店は日本にたくさんあるけれど、ムーガタの専門店って、本当に無いんですよ。だったら「自分でやるしかない」と。あと、現地の“わちゃわちゃ感”というか、屋台でワイワイ食べる感じを日本でも体験できたら楽しいんじゃないかと思って。

Muu Tokyoさんで頂いたムーガタ
Muu Tokyoさんで頂いたムーガタ

ケージー: 確かに、東京であの雰囲気はなかなか味わえませんよね。

渡邊さん: そうなんですよ。だから、Muu Tokyoは「飲食店」でありつつ、ちょっと“異空間”みたいなものも意識していて。メニューもだけど、音楽、照明、食器まで、現地っぽさを大事にしています。

“本場の味”と“日本人の舌”のあいだで探し続けた答え

Muu Tokyo代表・渡邊さんとの対談様子②
Muu Tokyo代表・渡邊さんとの対談様子②

ケージー: 現地の味を再現するうえで、特に苦労されたことはありますか?

渡邊さん: タレとスープですね。ムーガタって、実はスープが味の決め手でもあるんですよ。でもタイ現地のレシピをそのまま持ってきても、日本人にはちょっとクセが強すぎることがあって。だから、あくまで“ベースは本場”、でも“日本の舌にも馴染む”というラインを探るのに、かなり試行錯誤しました。

ケージー: 確かに、日本だとタイ料理=「辛い・酸っぱい」というイメージが強くて、ムーガタはそれとちょっと違いますもんね。

渡邊さん: そうなんです。むしろムーガタは、“優しい味”なんですよ。だから、日本人にも受け入れられやすいはず。でも「ムーガタって何?」というところから始まるので、最初は“焼肉鍋”みたいな説明から入って、徐々にその面白さに気づいてもらえるよう工夫しています。

五感で楽しむ、ムーガタ体験—焼いて、煮て、みんなで囲む

Muu Tokyoさんの内観①
Muu Tokyoさんの内観①

ケージー: お客さんの反応はいかがですか?

渡邊さん: みなさん「楽しい!」って言ってくださいます。見た目のインパクトもあるし、自分で焼いたり煮たりする“体験”があるので、食事以上の思い出になるというか。「これどこで食べられるの?」と聞かれて、「Muu Tokyoだけです」と答えると、すごく喜ばれるんです。

ケージー: 食べるだけじゃなくて、“参加する食事体験”みたいな感じですね。

渡邊さん: そうそう。それがムーガタの魅力なんですよ。だから、デートでもファミリーでも、女子会でも楽しめる。実際、リピーターの方もどんどん増えています。

ムーガタの文化を日本に—“協会”という次の一歩

Muu Tokyo代表・渡邊さんとの対談様子③
Muu Tokyo代表・渡邊さんとの対談様子③

ケージー: お話をうかがって、ムーガタにはまだまだ大きな可能性があるなと感じました。今後、ムーガタをもっと広げていきたいという思いはありますか?

渡邊さん: めちゃくちゃあります。今、「日本ムーガタ協会」という団体を立ち上げようと思っていて。ムーガタをもっと日本で広めるために、やりたい人がつながれる場所を作りたいんです。

ケージー: おお、それは面白そうですね!どんな人が参加できるんですか?

渡邊さん: 飲食業の人はもちろんですが、「ムーガタが好き」とか「東南アジアの食文化に興味がある」という人も大歓迎です。あと、「ムーガタのお店を始めたいけど、どうやればいいのかわからない」という人にも、ノウハウを共有する場所にしていきたいと思ってます。

Muu Tokyoさんの内観②
Muu Tokyoさんの内観②

ケージー: まさに“文化ごと”広げていく感じですね。

渡邊さん: そうですね。1店舗だけじゃなくて、一緒にムーガタを育ててくれる仲間を増やしたいんです。だから、協会メンバーは今絶賛募集中です!

ケージー 「ムーガタ、ちょっと気になる」っていう方は、ぜひ一度お店に行って、話を聞いてみてほしいですね。

“タイ料理の先にあるムーガタ”という選択肢を

Muu Tokyoさんの料理長チャイさん
Muu Tokyoさんの料理長チャイさん

ケージー: 最後に、読者の方に一言メッセージをお願いします。

渡邊さん: ありがとうございます。ムーガタって、日本ではまだまだ知られていないですが、実はとても親しみやすくて、誰とでも楽しめる料理です。「タイ料理はちょっとハードル高いな」と思っている方にも、ぜひ試してほしいですね。Muu Tokyoは、そういう方の入り口になれたら嬉しいです。

ケージー: 本日はありがとうございました!ムーガタを広める活動応援しております!

  • URLをコピーしました!
目次