コンサルからアジアの食の未来へ──亜州太陽市場・飯田さんが描く“本物”のリテール革命

都内・吉祥寺に店舗を構えるアジア食品専門店『亜州太陽市場』。店内には、タイやベトナム、インド、インドネシアなど、東南アジアを中心とした“本場の味”の商品がずらりと並びます。

このお店を立ち上げたのは、戦略コンサルタントを経て、大手リテール企業の経営層も務められたニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さんです。豊富なビジネス経験をお持ちの飯田さんが、なぜアジア食品というニッチで手間のかかる事業を自ら手がけられたのでしょうか。

「本場の味を伝えることは、日本とアジアをつなぐ“文化のインフラ”になり得る。」そう語る飯田さんに、亜州太陽市場を立ち上げた背景や、日本のリテール業界に対する展望を伺いました。

目次

国連を蹴って、アクセンチュアへ──“打席に立ちたかった”若き日の選択

ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん①
ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん①

ケージー:本日はお時間いただきありがとうございます!まずはこれまでのご経歴から伺いたいのですが、飯田さんはもともと国際機関を目指されていたと聞いています。かなり早い段階から明確なキャリアプランをお持ちだったんですね。

飯田さん:こちらこそ、ありがとうございます。はい、もともとは大学を卒業してからアメリカ・ワシントンD.C.の日本大使館で働き、その後は大学院へ進学しました。将来的に国連で働くことを目指していたので、必要な条件をひとつずつクリアしていくイメージでした。

ケージー:実際に国連からオファーもあったそうですね?

飯田さん:そうなんです。試験には受かって、勤務地も「ローマ」と聞いていたのですが、問題は“いつから働けるかがまったく決まっていない”という点でした。プロジェクトベースでの採用になるので、何かの案件が始まるまでは“待ち”なんです。

ケージー:そんな曖昧な状態で合格通知だけもらうんですね……!

飯田さん:はい。「合格はしていますが、開始時期は未定です」と言われて、「それまでどうすればいいんですか?」と聞いたら、「皆さん自分でなんとかしています」と。当時の自分には、それが現実的ではありませんでした。生活を安定させる必要もあったので、国連には行かず、就職を選んだんです。

ケージー:そこで選ばれたのがアクセンチュア。結果的にそこから9年間、コンサルのキャリアを積まれたわけですね。

飯田さん:そうですね。戦略コンサルの仕事自体はとても楽しかったです。ですが、コンサルは「提案」までが仕事で、「意思決定」や「実行」はクライアントが担います。そのうち、自分自身が“打席に立ちたい”という気持ちが強くなっていきました。

ウォルマートで掴んだ“現場の手触り”──“商品に触れたい”という欲求

ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん②
ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん②

ケージー:コンサルから“打席に立つ側”へと舵を切った飯田さん。次のステップにウォルマートを選ばれた理由は何だったんですか?

飯田さん:戦略コンサルの世界にどっぷりいた中で、自分の提案がどう実行され、どう結果につながっていくのかを、もっと肌で感じたかったんです。そのためには、実際に商品に触れて、日々売上の動きを見るような環境に身を置きたいと思いました。そのときに多種多様な商品を扱うウォルマートが日本展開をしていたので、「ここでなら現場感覚を養える」と思って入社しました。

ケージー:実際に入ってみて、どうでしたか?

飯田さん:予想以上に刺激的でしたね。最初は戦略担当のバイスプレジデントでしたが、そこから商品部門、Eコマース、ロジスティクスなど、多岐にわたる業務を経験させてもらいました。商品点数が膨大なので、毎日何かしらの変化があって、現場と向き合いながら意思決定を繰り返す日々でした。

ケージー:「触れるものを扱いたい」という思いが叶ったわけですね。

飯田さん:まさにそうです。コンサル時代はスライドを何十枚と作って、戦略を“提案する”仕事だったけど、ウォルマートでは“実行する”立場。それが大きな違いでしたね。

ケージー:その後はディズニー、そしてラオックスへと転職されていますよね。どんどん責任あるポジションへとステップアップされています。

飯田さん:ディズニーでは日本のリテール部門の責任者として2年間勤務しました。そしてラオックスでは、社長職に就任しました。ラオックス時代は、リテールだけでなく、不動産や映像事業など、さまざまな分野にも関わりましたね。

コロナ禍で国際事業から国内へ──“亜州太陽市場”誕生の舞台裏

ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん③
ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん③

ケージー:ラオックスの社長時代、インバウンド事業の柱としてスタートしたのが“亜州太陽市場”だったんですよね。立ち上げの背景を改めて伺えますか?

飯田さん:はい。あれは2020年から2021年の冬、ちょうどコロナが本格化しはじめた時期でした。当時は中国からのインバウンド客に向けたビジネスが中心だったんですが、先がまったく見えなくなってしまったんです。中国に子会社もあったので、現地の情報は多く入ってきましたが、結局「いつ回復するか」は誰にもわからなかった。そこで、「もう待っていられない。国内向けの新規事業を立ち上げよう」と決断したんです。

ケージー:それが“亜州太陽市場”だったと。

飯田さん:そうです。正確にはそのとき、社内プロジェクトとして二つの新規事業を立ち上げていて、一つがアジア食品専門の“亜州太陽市場”、もう一つがCコスメ中心のコスメ事業でした。ただ、コスメの方は利益が出るまで時間がかかりそうだったので、早期に撤退。“亜州太陽市場”の方は手応えがあったので、本格的に育てる方向に舵を切りました。

ケージー:そこから個人で“亜州太陽市場”を買い取られたんですよね?

飯田さん:はい。2023年の株主総会でラオックスの社長を退任したときに、自分で新会社「NuRetail株式会社」を立ち上げて、“亜州太陽市場”の運営を引き継ぎました。店舗名や商品ラインナップは変えずに、運営母体だけがラオックスからNuRetailに変わったという形です。お客さまにとっては、何も変わらないけれど、実質的には経営体制が大きく変わっています。

ケージー:ハンズオンで自ら経営される体制に変わったわけですね。

飯田さん:そうです。以前は任せていた部分も多かったのですが、今はより少人数のチームで、スピード感を持って取り組んでいます。正直、ラオックスの資本下ではスケーラブルな成長が難しかったんですよ。だから、自分の手で、スピーディに現場主導で事業を伸ばせる環境に切り替えたかったというのが大きいです。

なぜ“アジア食品”なのか?──“ジャパナイズしない”強い信念

ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん④
ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん④

ケージー:そもそも、“アジア食品”に特化しようと思った理由はどこにあったのでしょうか?

飯田さん:いろいろな選択肢がある中で、アジアの食品に特化した理由は、いくつかの確かな根拠があったからです。まずひとつは、アジア全体が圧倒的に人口が多く、経済成長が著しい地域であること。世界人口の約4割がアジアに集中している中で、食文化の多様性と深みも群を抜いています。しかも、どの国も「美味しいもの」が日常に根付いていて、そのクオリティが本当に高い。アメリカやヨーロッパにも住んでいましたが、やっぱり食べ物で言えばアジアが圧倒的に美味しいと思っています。

ケージー:なるほど。確かにアジアの食って、香りも味もインパクトがありますし、飽きない魅力がありますよね。

飯田さん:そうなんです。それに加えて、日本に住んでいるアジア出身の方々が年々増えているのに、彼らが本当に求める“現地のままの味”が手に入る場所が少ないと感じていました。日本の大手メーカーがアジア食品を出しても、どうしても“ジャパナイズ”されてしまう。本来の味付けが甘くなったり、香りがマイルドになったり、原材料が省略されたり……そういうことが多いんです。

ケージー:それは確かに、エスニック料理好きとしても“あれ?ちょっと違うな”って感じる瞬間ありますね。

飯田さん:はい。本場では必ず入っているはずの香辛料やハーブがなかったりして、「これは一体何なんだ?」と思うことが多かった。だから、“現地の有名メーカーの商品を、なるべくそのままの形で日本に届ける”ということにこだわっています。結果的に、他社にはない独自性が生まれてきました。

ケージー:実際にお店に行くと、見たことのないような商品がたくさん並んでいてびっくりしました。

飯田さん:ありがとうございます。うちはアジアだけに特化しているので、総合的なグローバル食品の店とは違って、“深さ”で勝負しています。他社の輸入食材店と比べて、アジアだけを見れば、品揃えの幅も深さも自信を持っています。

ケージー:“ガチアジア”というキーワードが本当に象徴的ですね。

飯田さん:はい。単なるトレンドではなく、現地の味と文化を正しく伝えることをミッションにしています。だから、わかりやすく、食べやすくアレンジしたりしない。現地の味に慣れていない人にも「これが本場なんだ」と思ってもらえるようにしたいんです。

「“吉祥寺”に込めた戦略──なぜあの場所だったのか

ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん⑤
ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん⑤

ケージー:初出店の場所が吉祥寺だったのは、どういった理由があったんでしょうか?

飯田さん:もちろん、僕が吉祥寺に住んでいたというのもありますが、実は戦略的にも“スイートスポット”だと考えて選んだ場所なんです。30ヶ所以上、目黒・世田谷・中野・新宿なども含めて徹底的に見て回って、「このコンセプトが最も受け入れられるのはどこか?」という仮説を立てて検証しました。

ケージー:具体的に、どういった仮説だったんでしょう?

飯田さん:アジア食品って、利益が少なくなりがちなんですよね。だからこそ、ある程度まとまった量を定期的に購入してくれる層に来てもらう必要があるんです。そう考えると、ファミリー層が理想的なんですよね。しかも、新しいものや海外文化・食に対して感度が高い方が多いエリアが良かった。吉祥寺には、そうした層がしっかり住んでいて、しかも回遊性のある街でもある。「ここなら打率高そうだ」と思えたんです。

ケージー:なるほど、文化的な感度と購買力のバランスが取れてるんですね!

飯田さん:はい。逆に、大学生の多い街や、単身男性が多いエリアだと消費の単価が上がりづらい。下北沢も検討しましたが、ちょっと若すぎて単身世帯が多いので見送りました。“食文化を家庭に届けたい”という想いもあったので、やはり吉祥寺がベストでしたね。

ケージー:実際、吉祥寺店はしっかり根付いてますよね。あの街って、店の入れ替わりが激しいイメージがあります・・!

飯田さん:そうなんです。吉祥寺って、実は出店後3年以内に撤退するお店がすごく多い街なんです。うちは今年で4年目に入っていて、今や「ここに行けば“本場アジアの味”がある」という認知を得られている実感があります。

ケージー:単なる物販ではなく、目的を持って訪れる「デスティネーションストア」になってるわけですね。

飯田さん:まさにそれです。“あそこに行けば新しい出会いがある”という期待感を作れているのが、うちの強みだと思っています。

“本場を伝える”と“PLを成立させる”の間で──商品構成の変化

ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん⑥
ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん⑥

ケージー:オープン当初と今で、商品構成はかなり変わっていますよね。どんな風に変化してきたんでしょうか?

飯田さん:はい、最初はインスタントラーメンやスナックなど単価の低い商品が中心でした。お客様も若いシングル層が多かったんですが、PL(損益計算)の観点から「これじゃ続かない」と気づいたんです。

ケージー:やはり、低単価商品だけでは経営が成り立たないんですね。

飯田さん:そうですね。例えばインスタント麺は1袋200円程度。それに対して冷凍食品や調味料など、1品1,000円を超えるような商品の方が売上へのインパクトは大きい。
しかも、人件費やオペレーションコストを考えると、低単価商品ばかりだと効率が悪くなるんですよ。

ケージー:確かに、品出しやレジ対応などの手間も同じですもんね。

飯田さん:その通りです。回転が速い=効率が良い、というわけではないんです。特に、うちのように接客や提案を重視するスタイルだと、「丁寧に売って、満足していただく」という方向に舵を切った方が、お客様の満足度も収益性も高まります。

亜州太陽市場さんの内装
亜州太陽市場さんの内装

ケージー:商品構成を変えるというのは、簡単なことじゃないと思いますが、どうやって変えていったんですか?

飯田さん:時間をかけて、徐々に変えていきました。もともとの在庫もありましたし、売場の印象を一気に変えるのはリスクも大きい。1年ぐらいかけて、“ガチアジア”へとシフトしていった感じです。

ケージー:しかも、お客さんにも気づいてもらわなきゃいけないわけですよね。

飯田さん:そうなんです。SNSやポスターでの発信も工夫しつつ、売れ筋を探りながら徐々に変えていきました。今では、“食のトレンドに敏感なファミリー層”や“本場志向のフーディー”が中心のお客様になっています。

ケージー:時代の空気や客層の変化を読み取りながら、ブレずに軸を保ち続ける──すごいです。

飯田さん:ありがとうございます。「味をごまかさずに伝える」というコンセプトだけは、最初から一貫して持ち続けてきたつもりです。

“真似されても真似できない”──バイヤーの情熱と新商品の哲学

ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん⑦
ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん⑦

ケージー:店内を見て驚いたのが、他では見かけないような珍しい商品がたくさんあることです。新商品はどのくらいの頻度で入れ替わっているんですか?

飯田さん:平均すると月に20〜30点、つまり毎日1品ペースで新商品を投入しています。
しかも、ただ新しいだけじゃなくて、“エッジが効いているけど、ちゃんとマーケットがある”──そういうものを厳選して入れているんです。

ケージー:それは相当目利き力が必要ですね。どなたがやられてるんですか?

飯田さん:うちのバイヤーがすべて担っています。担当は本当にすごくて、日本で一番アジア食材に詳しいんじゃないかと思っています。しかもアジアに特化したバイヤーって、実は他にあまりいないんですよ。

ケージー:なるほど。だから「他では見かけない」商品が揃うんですね。

飯田さん:はい。よく真似されるんです。でも、僕らは常に次の仕入れに向けて動いているし、ただ真似できないレベルで先を走っているという自負があります。

ケージー:すごい…まさに競合優位性ですね!

飯田さん:そうです(笑)。みんなが躊躇するようなキワモノ系を、うちは自信を持って出す。そして売れるかどうかはやってみないとわからない。だからリスクは常にあるんですけど、その分、お客さんにとっての発見も多くなる。

ケージー:なるほど。発見がある店って、やっぱり行きたくなりますもんね。

飯田さん:そこは大事にしています。“知らなかったアジアの味に出会える店”として、毎回少し驚きがあるようにしたい。だからうちの商品ラインナップは、ただ売れるものではなく、「語れるもの」を基準に選んでいます。

暮らしの中に、文化の入口を──住宅地から見えるリテールの未来

亜州太陽市場さんの外観
亜州太陽市場さんの外観

ケージー:現在は吉祥寺店と千歳船橋店の2店舗体制ですよね。千歳船橋はどんな意図で選ばれた場所なんでしょうか?

飯田さん:千歳船橋は、いわゆる“住宅地立地”のテストケースとして出しました。吉祥寺は人が集まるエリアなので、最初から狙っていたんですが、今後より持続的に拡大するには、“暮らしに溶け込む立地”も必要だと思っていて。

ケージー:なるほど、商業地と住宅地、両方の可能性を探っていると。

飯田さん:そうですね。飲食もリテールも、固定費=家賃とのバランスがとにかく大事なんです。売上がブレることはあっても、家賃は下がらない。だから、堅実に続けられるモデルかどうかは立地で決まる。

ケージー:今後の出店も、やはりそのバランスを見ながらという形ですか?

飯田さん:ええ、1店舗あたりの投資額は約5,000万円。自己資金でこれ以上出すのはさすがに限界があるので、フランチャイズという可能性も検討しています。ただ、自由度と再現性のバランスがとても難しい。今は資本政策も含めて慎重に考えているところです。

ケージー:そして間もなく、3店舗目の出店も控えていますよね。

飯田さん:はい。次は商業施設への出店(※2025年6月の記事公開時点では、海老名マルイ店としてオープン済)になります。これはまた千歳船橋とは逆に、流動的な人の動きの中で、どこまで文化的な価値を伝えられるかという実験でもあります。“住宅地→商業地→施設”と、異なる立地の中でブランドの再現性を確かめていくフェーズに入りました。

“日本とアジアをつなぐ”──食文化とテクノロジーのこれから

ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん⑧
ニューリテール株式会社(NuRetail)代表・飯田さん⑧

ケージー:最後に、飯田さんご自身、そしてニューリテールとしての今後の展望について伺いたいのですが。

飯田さん:まず「亜州太陽市場」というお店は、単なる小売業という枠に収まらず、僕らにとってのテストベッドでもあります。食の体験を軸に、文化を伝え、テクノロジーで支える。その実験を、日々お客さんと一緒にやっているような感覚です。

ケージー:事業としての成長も目指しながら、文化的な役割も担っていると。

飯田さん:ええ。このお店をもっと広めたい、届けたいという思いもありますし、個人的には、やっぱり食文化は未来の日本にとって非常に大切なインフラになると思っていて。これから間違いなく人口が減って、働き手が不足していく。そのときに、近隣アジアの方々とどう共生していくかっていう課題が、確実に浮かび上がってくるんですよね。

ケージー:確かに。もうそれは避けられないテーマですね。

飯田さん:だからこそ、食を通じて「違い」を知ることが大事だと思うんです。宗教、言葉、肌の色。違いがあるからこそ、誤解も生まれる。だけど一緒に食べて、「美味しいね」って笑い合える瞬間があると、少しずつ軋轢は減っていく。そう信じています。

ケージー:本場の味にこだわっているのも、そうした理由から?

飯田さん:そうですね。日本人向けにアレンジされた味じゃなくて、現地のままの味を届けたい。「なぜこの味になったのか」まで含めて体験してほしい。それが理解につながるし、結果的には日本が多文化共生できる土壌をつくっていくと思っています。

ケージー:そうした思想と同時に、テクノロジーの活用も進めていらっしゃいますよね。

飯田さん:はい。たとえば店内ポスターひとつとっても、今はうちの店長がChatGPTを使って自分で作っているんです。ITに苦手意識があった40代の女性スタッフが、いまや誰よりも素早くクリエイティブを回してくれる存在になっていて。こういう変化を見ると、「人とテクノロジーが共に成長する」って本当にあるんだなって思います。

ケージー:すごく象徴的なエピソードですね。

飯田さん:本部の人員を減らすとか、効率化だけを目指すんじゃなくて、現場に近い人たちが自走できる仕組みを作っていきたい。それが“ニューリテール”としての理想でもあります。

ケージー:最後に、エスニック総研を読んでいる方々に一言いただけますか?

飯田さん:日本は、いろんな文化が最後に辿り着いた場所。だからこそ、これからの時代、「多文化が交差するリアルな現場」になっていくと思っています。僕たちは食文化というかたちでそこに貢献していきたい。エスニック総研さんが掲げる“日本とアジアをつなぐ”というミッションにも、強く共感しています。これからも、一緒にマーケットを広げていけたら嬉しいです。

ケージー:マーケット広げていきたいですね!本日は本当にありがとうございました!

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