外苑前で本場のタイ料理を提供する「エカマイ屋台」—飲食未経験からの挑戦と常連が絶えない理由とは?

「もともとは貿易の仕事をしていた伊東さんですが、あるきっかけから飲食業に挑戦することに。」そう語るのは外苑前駅周辺でタイ料理店を営むエカマイ屋台のオーナー・伊東さん。

2021年、コロナ禍の最中にオープンしたエカマイ屋台は、本場の味にこだわるタイ料理店として、多くの常連さんに愛され続けています。

飲食業の経験がなかった伊東さんが、なぜこの世界に飛び込んだのか? そして、シェフの方が持つ料理への熱いこだわりとは?

今回は、エカマイ屋台の魅力やお店に込めた想いについて、伊東さんにお話を伺いました。

目次

貿易の仕事から飲食業への挑戦

「エカマイ屋台」の内観①
「エカマイ屋台」の内観①

ケージー:伊東さんは、お仕事は飲食関係ではないんですよね?

伊東さん:はい、貿易関係の仕事をしています。だから飲食とは直接関係はないんですけど、飲食関係の友達が多くて、そういう繋がりはありました。

ケージー:なるほど。外苑前という立地でお店を始められたのはどういったきっかけなんですか?

伊東さん:そうですね。たまたま前のテナントが退去するタイミングで空きが出て、それがちょうど秋頃だったんです。いろんな業種の賃貸したい方がそのスペースを見に来ていたんですけど、場所が少し奥まっていたし、店内が広めだったりして、なかなか「ここでやろう!」って決断できる人がいなかったんです。

ケージー:たしかに、立地や広さがあると、経営のハードルも上がりますよね。

伊東さん:そうなんです。やっぱり一番大事なのは、お客さんがちゃんと来てくれるかどうか。お店を作っても、お客さんが来なかったら家賃も払えませんからね。特にコロナ禍の真っ只中で、将来はどうなるか誰も分からない状況です。

ケージー:たしかに、一番大事なところですよね。

伊東さん:それで、「いっそ自分たちでやってみようか」という発想になったんです。元々、カウンターとかもあって、設備が整っていたので、初期投資もそこまでかからなかったんです。そういう理由もあって、2021年のコロナ禍の最中にスタートしました。

2021年、コロナ禍での店舗オープン

「エカマイ屋台」の外観
「エカマイ屋台」の外観

ケージー:そこからエカマイ屋台さんがオープンされたんですね!

伊東さん:そうですね。以前はバーみたいな感じだったので、内装やキッチン設備もある程度整っていて、そのまま活用できたんです。それが本当に助かりましたね!

ケージー:じゃあ、もともと飲食店の設備があったんですね。そこからどういった経緯でタイ料理店をやろうという感じになったんですか?

伊東さん:やっぱりタイ人の友達が多かったのと、料理ができる人が身近にいたからです。料理をやるなら、一番手っ取り早いのは「腕のある人が作ること」ですよね。

ケージー:そうですね。美味しい料理が出せないと、お客さんは来ないですもんね。

伊東さん:はい、実際に始めてみて、お客さんの評判もすごく良くて。ありがたいことに、皆さん「美味しい!」と言ってくれています。お客様によっては食べた後すぐGoogleMAPの口コミに実際の感想を書いてくれたりして、本当に嬉しいです。

ケージー:シェフの方もご友人なんですよね?

伊東さん:そうです。めちゃくちゃ料理が上手な友達なんですよ。でも、実はこの店をオープンするまでは、料理人として働いていたわけではないんです。

ケージー:そうなんですね!!料理人ではなかったんですね。

伊東さん:はい。彼のご両親が料理人なんです。でも、本人はこれまでお店で料理を作ることはなかったんですが、飲食店での仕事、及び両親からの教えて料理作るのが得意ですね。

ケージー:それに加えて、やっぱりこだわりが強いんですね。

伊東さん:そうなんです。食材選びにもこだわっていて、絶対に現地の味を再現できるものしか使わないんです。

ケージー:すごいですね!実際にお会いしたときも、ガパオとか、他の料理の味も本当に美味しかったのを覚えています。

伊東さん:ありがとうございます。やっぱり、素材が大事ですからね。多少コストがかかっても、良いものを使わないと本場の味は出せないので、そこは譲れない部分ですね。

ケージー:なるほど。お店をオープンして、もう5年目に入るんですね。

伊東さん:そうなんです。3月で5年目になります。ありがたいことに、こうして続けられています。

ケージー:本当にすごいことですよね。私の友達の間でも、エカマイ屋台さんのことを調べて「すごく美味しいタイ料理屋さんだよ!」って話題になっているみたいですね。シェフの方もすごく味にこだわっているんだなと感じています。

伊東さん:そうですね。やっぱり料理を作る人がこだわっていなかったら、普通の飲食店と変わらなくなってしまいますからね。

ケージー:確かに、最近はセントラルキッチンで大量に作って、それを各店舗で提供するお店も増えていますよね。

伊東さん:そうなんです。例えば、一つの店舗にいくつかのブランドのゴーストレストランを運営しているところもあります。1カ所のセントラルキッチンで調理して、それを各店舗に配送しているところもありますよね。そうすると、現場では温めて、ご飯の上に乗せるだけ、というパターンが多くなります。

「エカマイ屋台」さんとの対談様子①
「エカマイ屋台」さんとの対談様子①

ケージー:そういう仕組みは効率的ではありますけど、本当に美味しいものを提供するとなると、やっぱりその場で作る方が良いですよね。

伊東さん:そうなんです。実際、隙間バイトで来られた方に聞いた話ですが、、店舗に何十台ものiPadが並んでいて、それでオーダーを受けてデリバリー専用のゴーストレストランとして運営しています。確かに効率的で売上上げられますが、料理へのこだわりが薄れてしまう部分もあります。

ケージー:なるほど。その点、伊東さんのお店では、あえてゴーストレストランを入れずに、しっかり手作りにこだわっているんですね。

伊東さん:そうですね。うちではあくまで「ここでしか食られないもの」を作ることに専念しています。それがうちのこだわりですね。

こだわりが生む人気メニューと常連さんに愛される味

「エカマイ屋台」の内観②
「エカマイ屋台」の内観②

ケージー:こだわりを持ってやっているからこそ、人気メニューが生まれるんですね。今、一番人気の料理は何ですか?

伊東さん:やっぱりガパオライスですね。でも、他のメニューも全部美味しいですよ。お客さんからも「何を食べても美味しい」ってよく言われます。

「エカマイ屋台」の名物ガパオライス①
「エカマイ屋台」の名物ガパオライス①

ケージー:それはすごいですね!「どのメニューを頼んでも美味しい」となると、お店への信頼にもつながりますね。

伊東さん:そうなんです。結局、料理のクオリティが高ければ、お客さんは自然とリピートしてくれます。だから、デリバリーでも常連さんが多いんです。

ケージー:デリバリーの常連さんも多いんですね。

伊東さん:はい、例えばあるお客様は、今まで少なくとも300回以上は注文してくださっています。また近所に住んでいた方が少し遠くへ引っ越しをしてもデリバリーで注文して来たりする常連さんもいます。本当に感謝しています。

「エカマイ屋台」の名物ガパオライス②
「エカマイ屋台」の名物ガパオライス②

ケージー:えっ、すごいですね!本当にお店の味が好きで、わざわざ遠くへに引っ越してもエカマイ屋台の料理食べたいですか?

伊東さん:そうなんですよ。しかも新しい家のすぐ近くに有名なタイ料理店もあるにも関わらず、当店に注文して来ます。また今まで遠いところに住んでいたデリバリーの常連さんがたまたま近くに引っ越して来まして、その100回目の注文をしてくださった時に私が直接お届けに参りました。家中はまだダンボールも開けていない状態で、「まずはお店の料理を食べたくって」って言われました(笑)。とっても嬉しいです。

ケージー:それはすごいエピソードですね!まさに、お店の味が生活の一部になっているんですね。

伊東さん:今年は出前館の全部とUBEREATSの一部が自社配達に変更しました。UberEatsはは半径1.5キロ以内ですが、自社で配達することによって、出来立ての料理をもっと早くお客様にお届けできるようになります。。

ケージー:それは嬉しいですね!ただのデリバリーではなく、よりお客さんと繋がれる仕組みになっていますね。

伊東さん:そうですね。やっぱりお客さんとの距離が近いお店でありたいと思っていますね。

エカマイ屋台さんのデリバリー戦略

「エカマイ屋台」さんとの対談様子②
「エカマイ屋台」さんとの対談様子②

ケージー:デリバリーの対応エリアはどこまで広がっているんですか?

伊東さん:自社配達では、信濃町や渋谷東など半径1.5から2kmまで対応しています。配達代行を使えば、もっと広いエリアまで対応しています。。

ケージー:具体的に、どのあたりまで配達できるんでしょうか?

伊東さん:例えば、自社配達の範囲は現状北は千駄ヶ谷や信濃町周辺まで、南は広尾、麻布十番あたり、東は赤坂全域まで、西は渋谷あたりまでが配達範囲となっています。西麻布、神宮前、南青山、北青山全域は自社配達範囲となります。

ケージー:結構広範囲ですね!

伊東さん:そうですね。常連のお客様も多くて、例えば千駄ヶ谷や代々木上原からのデリバリー注文もあります。デリバリーで食べて気に入って、実際にお店に来てくれるお客様も増えていますよ。

ケージー:それは嬉しいですね。やっぱり、最初のきっかけがデリバリーでも、実際にお店の雰囲気を楽しみたいと思う人も多いんですね。

伊東さん:そうですね。目黒や中目黒などでも注文が入ることがあって、以前は配達員が取り忘れで、6キロ離れた場所まで自分でお届けしたこともありました(笑)。最近は大量注文のケータリングの問い合わせも増えていて、今年はバイクのレンタルも始めたので、より幅広く対応できるようになっています。

ケージー:なるほど。ケータリングの事前予約も可能になったんですね?

伊東さん:はい。新しい取り組みですが、チャレンジしながらやっています。

エカマイ屋台さんの今後の展望

「エカマイ屋台」の外観
「エカマイ屋台」の外観

ケージー:最後に、これからお店に来るお客様やファンの皆さんに向けて、一言お願いします!

伊東さん:はい。いつでも変わらない美味しい料理を提供し続けていますので、ぜひ食べに来てください!営業中はいつでも美味しい料理を楽しんでいただけますし、デリバリーも広範囲で対応していますので、気軽にご利用ください。

また当店自慢の激辛料理もあります!ただ辛いだけではなく、辛くて美味しい激辛料理に拘って、しかも本場の辛さで、今まで辛さに強いと自慢して食べる途中ギブアップするお客様も何人もいました。また当店の激辛パパイヤサラダでTBSの土曜番組「王様のブランチ」にも取り上げられたことがありました。今後は激辛チャレンジ企画などもやろうかなと思ってるので、辛いものが好きな人はぜひチャレンジしてみてください!

ケージー:激辛チャレンジめちゃ良いですね!改めて本日は貴重なお話をありがとうございました!

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