これまでインフルエンサーとして500〜600店舗以上のエスニック料理店を巡り、その魅力を発信し続けてきたフォロワー3万人越の「ケージー|エスニックマガジン🍳」が、ついに自らの実店舗「TOKYO BÁNH MÌ STAND(トウキョウバインミースタンド)」を東京・赤坂にオープンしました。
「情報を届けるだけでは満足できなかった」と語る彼が、なぜ今、実店舗という形を選んだのか。そして、数ある料理の中でなぜ「バインミー」だったのか。こだわりの味と、店舗に込めた熱い想いを直撃しました。
全ての原点はコロナ禍で断たれた「海外への渇望」

編集部: 本日はよろしくお願いします。普段はケージーさんがインタビュアーですが、今日は逆の立場ですね(笑)まずは読者の方へ、ご自身の活動について改めて教えていただけますか?
ケージー: よろしくお願いします! 不思議な感じですね(笑)僕は主に「エスニックマガジン」というInstagramメディアを運営していて、美味しいエスニック料理店を紹介しています。おかげさまでフォロワーさんも3万人を超え、多くの反響をいただいています。

編集部: 「エスニック総研」は、そのマガジンとは別の立ち位置なんですよね?
ケージー: はい。マガジンで食べ歩きをする中で、お店のオーナーさんたちがめちゃくちゃ面白いことに気づいたんです。彼らの情熱やストーリーを深く掘り下げたいと思って立ち上げたのが、このWebメディア「エスニック総研」です。

編集部: なるほど。そして今回、ご自身もその「面白いオーナー側」に回ったわけですね。そもそも、なぜエスニック料理の発信を始めたのですか?
ケージー: 実は大学生の頃、「ケージー」という名前でバックパッカーYouTuberをしていたんです。世界中を旅していたんですが、2020年のコロナ禍で海外に行けなくなってしまって……。

編集部: 確かにコロナ禍はバックパッカーにとって一番辛い時期でしたね。
ケージー: そうなんです。海外に行けない渇望を埋めるために、「国内でできる世界旅行」として日本のエスニック料理店を食べ歩き始めたのが、今の活動の原点ですね。
リクルート営業で学んだ飲食店の現場と経営のリアル

編集部: その後、メディア運営だけでなく、一度企業に就職されたとお聞きしました。
ケージー: はい。2023年にリクルートに入社し、ホットペッパーグルメの営業をしていました。
編集部: まさに飲食業界のど真ん中ですね。なぜ就職を?
ケージー: エスニックマガジンのメディアとして情報を発信するだけでなく、ビジネスとしての飲食店の厳しさやリアルを知る必要があると思ったからです。最初は東京・関東圏で新規営業を3ヶ月、その後は退職するまでの10ヶ月間、大阪でリテール営業をしていました。

編集部: 大阪勤務だったとは! その間もメディア運営は続けていたのですか?
ケージー: はい。大阪のエスニック料理を開拓しつつ、月に2回週末に東京へ戻って取材を続けていました。正直、お金も時間もかかってめちゃくちゃ大変でした(笑)
編集部: 凄まじいバイタリティですね……。営業活動を通して得たものはありましたか?
ケージー: 飲食店のオーナーさんが抱える課題に直接向き合えたことが大きかったですね。毎月決して安くない掲載費をいただく中で、オーナーさんたちのお店に対する「本気さ」や「大変さ」を肌で感じました。
編集部: その経験が、今の店舗運営にも活きているわけですね。
ケージー: 間違いなく社会人としての基礎になりましたし、「自分もお店をやるなら覚悟を持たないといけない」という土台になっています。
18歳のベトナム旅で受けた「バインミー」の衝撃

編集部: 世界中の料理を知るケージーさんが、初の実店舗に「バインミー」を選んだ理由は何でしょうか?
ケージー: きっかけはYouTuberになるさらに前、大学1年生の時にベトナムを旅した時の経験です。
編集部: 原点はそこにあったんですね。
ケージー: はい。偶然食べた現地のサンドイッチが衝撃的に美味しくて。「なんだこの美味しい料理は!」と感動しました。当時ベトナムでもベトナム中部のダナン・ホイアンエリアを旅しておりました。

編集部: 当時はまだバインミーという名前も知らなかったと!
ケージー: そうなんです。サブウェイに似たようなご飯なのかなと思っておりましたが、パンは超サクサク、具材たっぷりで野菜も摂れる。その手軽さと美味しさに魅了されました。

編集部: その時の感動が、今の活動に繋がっているんですね!
ケージー: サンドイッチなのに異国情緒を感じられる。エスニック料理を知らない人でも、バインミーならきっと感動してもらえると確信しています。
エスニック空白地帯の赤坂で目指す「オフィスのハブ」

編集部: 出店場所に赤坂(元赤坂)を選んだ理由を教えてください。
ケージー: 実は、港区や赤坂エリアはエスニック料理店、特にベトナム料理店が意外と少ないんです。これは都内のエスニック料理店を500店舗以上食べ歩いてきたからからこそ発見した形になります。
編集部: 確かに、中華や韓国料理店に比べるとエスニック料理店が少ない印象がありますね。
ケージー: そうなんです!いわゆる競合が少ない「ブルーオーシャン」でありながら、オフィスワーカーが多く働く場所でもありますというところからこの場所が偶然物件が空いてて、この場所なら勝負できそうと思った感じです。
編集部: 確かに店舗周辺はオフィス街ということもあり、忙しいワーカーさんのランチ需要などが見込めそうですね。

ケージー: はい。忙しい仕事の合間に、サクッと気軽にピックアップできる「ハブ」のような存在になりたいと思い、店名に「スタンド」と入れました。
編集部: そういう意味が「スタンド」に込められているんですね!納得です。
ケージー: 「TOKYO BÁNH MÌ STAND」という空間を通して、仕事の合間に少しでも海外へのトリップ感を味わってもらえたら嬉しいです。
パンからパクチーまで妥協なき「バインミー」へのこだわり

編集部: 味についてのこだわりも聞かせてください。
ケージー: まずはパンですね。外はカリッと、中はフワッとした食感にこだわり、一番美味しいと思うパンを仕入れています。

編集部: 具材についてはいかがですか?
ケージー: レバーパテ、マヨネーズ、チャーシュー、そしてナマス(大根と人参の酢漬け)に至るまで、ほとんどの具材を店内で自家製しています。ベトナムの料理研究家の方に作り方を教えていただいて、そのレシピで全て作ってます。

編集部: マヨネーズまで自家製とは驚きです!
ケージー: ベトナムのマヨネーズは日本のものとは味が違うので、バインミーに合うように独自に味付けをしています。
編集部: そして気になるのがパクチーです。パクチー農家さんから仕入られてるんですか
ケージー: そうなんです(笑)「パクチーの妖精」ことうっしぃさんという専門家から、千葉県の農家さんの無農薬パクチーを仕入れています。苦手な人でも「これなら食べられる」と言っていただけるほど、香りが爽やかで美味しいパクチーですよ。
公式キャラクター「ビンミー君」でデザインする親しみやすさと未来

編集部: お店のロゴやグッズに使われているキャラクターも可愛いですね。
ケージー: ありがとうございます。「ビンミー君」といって、バインミーを広めるために宇宙からやってきた宇宙人という設定です!そして僕は雇われ店長ということで、ビンミー君からの指示で日本にバインミーを広げるために店舗運営をしているという設定まで一様あります(笑)
編集部: 設定が細かいですね!(笑)なぜキャラクターを?

ケージー: エスニック料理店というと少し入りにくいイメージがあるかもしれませんが、キャラクターを通して「親しみやすさ」や「イケてる感じ」を演出したかったんです。ビンミーを通してよりバインミーに親しみをもてるような状態にしていきたいですね!
編集部:ビンミーくんすごく可愛いです(笑)
ケージー:ありがとうございます!実はこれからビンミーグッズなども販売していきたいと考えているので、またグッズが完成したらご紹介させていただきます。店頭とオンラインにて購入できるようにする予定です!
バインミーを通してエスニック料理の魅力を知ってもらいたい

編集部: 最後に、今後の展望を教えてください。
ケージー:TOKYO BANH MI STANDで作るバインミーを通してたくさんの人にエスニック料理の美味しさを知ってもらいたいなと思ってます!特にバインミーはエスニック料理を食べたことない人でも比較的食べやすい料理だと思っているので、食べたことない人もエスニック料理好きの人も一度当店のバインミーを食べにきて欲しいですね!
編集部: バインミーを通してエスニック料理の美味しさを広げたいというフレーズ素敵です。
ケージー:ありがとうございます(笑) 店舗の名前にも入ってますが、 「スタンド」のように気軽に立ち寄れる店舗を増やして、バインミーを日本の日常に溶け込ませていきたいです。ぜひお店で、こだわりの味を体験してください!
編集部: 本日はありがとうございました!また食べに行きます!
インタビュアーからの一言
YouTuberとしての発信力、コロナ禍で誕生したエスニックマガジン、そしてリクルート営業で培った「ビジネスの視点」これら全てが融合して生まれたのが「TOKYO BÁNH MÌ STAND」でした。
「エスニック総研」が追い続けてきた“熱いオーナー”の一人に、今度はケージー自身がなったのかもしれません。赤坂を訪れた際は、ぜひそのストーリーごと味わってみてください。
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実際に訪れた店舗の様子や、こだわりのメニューについては、別記事で詳しく紹介しているので、ぜひそちらもご覧ください!

