
エスニックマガジン監修者のケージー(https://lit.link/kgethnicfood)です!
全国450店舗以上のエスニック料理店を訪問し、エスニック情報を日々発信しています!
今回は、ベトナム南部の麺料理として有名なフーティウについて紹介します!
ベトナムの麺料理といえば「フォー」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、ベトナム南部、特にホーチミンでは、フォーと同じくらい、あるいはそれ以上に地元の人々に深く愛されている名物麺があります。
それが、「フーティウ(Hủ Tiếu)」です。今回は、このフーティウの魅力に迫ります。
フーティウとは?フォーとの違い




まずは、フーティウがどんな料理なのか、その特徴とフォーとの違いについて詳しく解説していきます。
フーティウは米粉から作られた細くて白い乾麺の米麺で、主にベトナム南部で親しまれている麺料理です。おなじみのフォーが主に北部ハノイが本場であるのに対し、フーティウは南部でよりポピュラーな存在です。
麺の特徴としては、フォーの麺が平べったいきしめんタイプで全体的に柔らかい食感なのに対し、フーティウの麺はそれよりも細く(太麺タイプもあるそうです)、つるんとしてコシがあるのが特徴です。
このコシのある食感は、フォーやブンが生麺で販売されるのに対し、フーティウが通常、半乾燥麺として販売されることで生まれると言われています。



そのつるつるとした食感は、日本人好みの可能性が高いと評されています◎
麺は透明感があり、乾麺のフォーに近いかもしれません。細麺のため、スープがめちゃ絡みます!
フーティウの歴史的背景


フーティウのルーツは、主に二つの系統があるとされています。
一つは、17世紀後期に中国南部からベトナム南部(広南国)へ移住してきた中国人によって広められた「粿條(クェティオウ)」に由来するもの。
もう一つは、同じく中国人がカンボジアに持ち込んだクェティオウが、カンボジアで「クイティウ」として広まり、その後ポル・ポト時代にベトナムに「フーティウ・ナムヴァン」(プノンペン風フーティウ)として持ち込まれたものです。



今日では、フーティウといえば後者を指すのが一般的とされています◎
多彩なフーティウのバリエーション
フーティウの魅力は、その多彩なバリエーションにあります。大きく分けると、スープと一緒に楽しむ「汁あり」と、タレを絡めていただく「汁なし」の2種類があり、どちらも異なる味わいが楽しめます。
具材によって名前が変わるのも特徴で、豚肉や海老、レバーなど様々な具材が乗った「フーティウ・ナムヴァン」や、牛肉の煮込みを乗せた「フーティウ・ボーコー」など、その種類は多岐にわたります。
近年は日本でもフーティウを提供する店が増えており、当店でもメイントッピングを変えることで、フーティウの奥深い世界を広げています。
フーティウ・ナムヴァン(Hủ Tiếu Nam Vang)


「ナムヴァン」はベトナム語でカンボジアの首都プノンペンを指します。ホーチミンでフーティウといえば、このフーティウ・ナムヴァンが一般的です。
具材としては、エビ、豚のモツ、うずら卵が一般的で、それぞれ海・陸・空の象徴とされています。スープは甘めで、クリアな豚骨ベースが多いです。生のモヤシ、春菊、レタス、ニラが付け合わせに添えられるのが一般的です。
フーティウ・コー(Hủ Tiếu khô)


「汁なし麺」のタイプで、別椀でスープが提供されるのが一般的です。
ベトナム現地流では、特製のニンニクネギ油風味のタレと麺、そして海老やうずら玉子、豚バラなどのトッピングを豪快に混ぜて食べるのがおすすめです。



麺がほぐしにくい場合は、別添えのスープを少し入れると良いでしょう!
フーティウ・ミー (Hủ Tiếu mì)
フーティウの麺と中華麺を一つの丼で提供するスタイルです。
フーティウ・ボーコー(Hủ Tiếu bò kho)
ベトナム風ビーフシチュー「ボーコー」にフーティウ麺を入れたスパイシーな料理です。
フーティウ・サオ(Hủ Tiếu xào)
フーティウ麺を使った焼きそばで、牛肉、ニラ、もやしなどをオイスターソースとニンニク、ベトナム調味料で炒めた旨味たっぷりの一品です。
フーティウ・カー(Hủ Tiếu Ca)
雷魚の切り身がたっぷり入った魚のフーティウです。少し甘めのあっさりスープで、汁なしを注文し、麺に直接チリソースをかけて食べ、魚のスープを口直しとして飲むのがベトナム流の食べ方だそうです。
フーティウ・ムック(Hủ Tiếu mực)
イカのフーティウです。クリアなスープに、イカ、肉団子、うずらの生卵、青ねぎ、フライドオニオンがのっており、ぷりぷりのイカと黒胡椒が効いたスープが美味しいとされています。
フーティウはダイエット向き?気になるカロリーや栄養価について
- フーティウはヘルシーなの?
- ダイエットの時に食べてもいい?
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
そのような疑問にお答えするために、フーティウの栄養価について、1食当たりの推奨摂取量(成人1人あたりの目安)を交えて紹介します!
栄養成分 | 量 | 1食当たりの推奨摂取量 |
カロリー | 420kcal | 536~751kcal |
タンパク質 | 13.72g | 15~34g |
脂質 | 17.36g | 13~20g |
炭水化物 | 47.8g | 75~105g |
出典:「食品成分データベース(文部科学省)」(一人分 400gの栄養成分)
主成分が「米粉」で、脂質が比較的抑えめで食物繊維やタンパク質もある程度含まれていることから、PFC(タンパク質・脂質・炭水化物)バランスが比較的良好でエネルギー源として効率的です。
結論としては、フーティウは脂質をやや多く含むもののヘルシーな料理であり、ダイエット時に食べてもそこまで問題はなさそうと言えます!
炭水化物・野菜・お肉を1度にバランス良く摂れるメニューとして、もっともっと知られても良さそうです!笑



フーティウだけでなく、ベトナム料理はヘルシーなものが多いのでありがたい♪
フーティウの美味しい食べ方
フーティウはそのまま食べても十分に美味しいですが、調味料を加えることでさらに何倍も美味しくなります。
ライムをかけるとさっぱりとした味わいになり、青唐辛子とハーブの緑色のソースは辛いながらもクセになる美味しさです。
お店によっては、ニンニクだれ やフライドガーリック(豚の脂をカリカリに揚げたもの) が用意されており、これらも香ばしさと旨味をアップさせるのに役立ちます。自分のお好みで味を調整するのがベトナムらしい食べ方です。



特に、汁なし(Kho)のフーティウは、別添えのスープで様々な食べ方が楽しめるのでおすすめです!
フーティウが美味しいおすすめのベトナム料理店
ここからは、フーティウが美味しいおすすめのベトナム料理店を紹介していきます!



日本でなかなな食べることができないフーティウですが、実は都内にフーティウ専門店があるんです!ぜひ行ってみて欲しいです〜!
店舗名 | 所在地 | 最寄 |
---|---|---|
SADEC TOKYO | 神田淡路町 | 小川町駅 |
SADEC TOKYO 吉祥寺 | 武蔵野市吉祥寺 | 吉祥寺駅 |
まとめ


今回は、ベトナム南部で広く愛されている名物麺「フーティウ」をご紹介しました。
フーティウは、米粉から作られた細くて白い乾麺の米麺で、フォーとは異なるつるんとしたコシのある食感が特徴です。中国やカンボジアの影響を受けながら、南部独自の麺料理として発展してきました。
フーティウ・ナムヴァンをはじめとする様々なバリエーションがあり、特に汁なし(Kho)のフーティウは、別添えのスープを加えて様々な食べ方が楽しめるのでおすすめです。ライムや特製ソースで味を調整することで、さらに奥深い味わいを堪能できます。



日本でも最近フーティウ専門店が出来たりと今エスニック料理好きの中で注目を浴びている「フーティウ」!
フォーに続く新たなベトナム麺として、ぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか?